IT業界に就職、転職を考えている方の多くは「どんな資格を持っておくと良いのか」「資格を取ることに意味があるのか」などと考えているでしょう。
もちろん無意味なことは全くなく、資格取得で得られることは数多くあります。本記事では、初心者でも取りやすい有益な資格を紹介しています。これからIT業界で働きたい人はぜひ参考にしてみてください。
初心者でも取れるおすすめの資格7選
初心者でも取れるおすすめの資格は、以下の7個です。
- ITパスポート
- 情報セキュリティマネジメント
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- 情報処理安全支援士
- AWS認定資格
- ITストラテジスト(ST)
以下で詳しく解説しています。
比較的簡単に取れる資格3選
まずは、比較的難易度の低い資格を3つ解説します。
ITパスポート
IT未経験の方が、入社前に企業の指示によって取得が必要になるほど人気の資格で、合格率も例年約50%前後と高水準です。勉強媒体も無料から有料のものまで充実しており、勉強時間も約100-180時間と言われています。CBT試験という場所や日時を自身で選択できるため、受験のハードルも低いでしょう。
体系的な知識を学べるため、未経験でITに挑戦する方には特におすすめです。
情報セキュリティマネジメント
情報セキュリティマネジメントはセキュリティ関連の知識を体系的に学ぶことができ、セキュリティ関連の業務をする方がまず初めに取得する資格です。合格率は50-70%とITパスポートと同難易度であり、勉強媒体も充実しているうえに、勉強時間もさほどかからないため、受験しやすいでしょう。
セキュリティ関連の業務にこれから従事する方は企業から取得を指示される可能性もあるためあらかじめ受験しておくと良いかもしれません。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は合格率が40-50%の国家資格であり、IT業界では比較的定評のある資格です。この資格を持っていれば、周囲から「業務で出てくるIT基礎知識やスキルは一通りわかる」と認識される傾向にあります。取得難易度は比較的高く、勉強時間は100-200時間と言われています。
ただ、時間をかけて勉強すればIT未経験でも十分に合格を狙える資格であり、ITパスポートと同様にいつでも受験可能であることから、学習時間が確保できる場合は積極的にチャレンジしてみると良いでしょう。
転職に比較的有利な難しい資格4選
次に、転職に比較的有利である一方、取得難易度が高い資格を4つ解説します。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は合格率が約20%で、初学者の場合は500時間程度の勉強時間が必要になる非常に難関な資格です。午前・午後に試験が分かれており、基本情報技術者試験よりも高度なIT知識を問われる問題が出題されます。
合格するには多くの勉強時間や集中力、忍耐力が必要になりますが、その分合格したときの喜びや達成感は自信につながるでしょう。
なお、試験日が年に2回しかないため、取得する際のスケジュール計画と申し込み期間には注意してください。
情報処理安全支援士
情報処理安全支援士は合格率が約20%前後で、勉強時間は応用情報技術者試験の勉強時間と合わせて約600時間が必要とされます。本資格も午前と午後試験に分かれ、午後試験では記述式での設問もあります。
セキュリティに関する高度な知識を求められるため、未経験から受験するにはかなり難易度が高いでしょう。今後セキュリティに関する業務に従事するなら取得しておくと良いですが、そうでない場合は、業務上必要性が高く難易度を抑えた別の資格を選ぶのもおすすめです。
AWS認定資格
AWS認定資格は、AWS Certified Cloud Practitioner、AWS Certified Solutions Architect -AssociateといったAWS(Amazon Web Services)に関する知識やスキルを取得できる資格全般のことを言います。合計10種類あり、AWSに関する知識だけでなく、クラウドの全般的な知識の獲得もできるため、クラウドエンジニアとして活躍したい場合は検討すると良いでしょう。
なお、初学者はまず初めに、AWS Certified Cloud Practitionerを取るのがおすすめです。クラウドの概要や、AWSのサービス理解につながります。
勉強時間も20-60時間程度と高難易度資格の中では比較的取得しやすい資格のため、クラウドに対する理解を深めていきたい人はぜひ勉強してみてください。
システムアーキテクト(SA)
システムアーキテクトはシステムの要件定義や、情報システムの全体構造を学べる資格で、上流工程に関わる業務を担当する場合には取得すると良いでしょう。ITの技術知識だけでなくビジネス的な知識も必要となっており、合格率は約15%で勉強時間は100-200時間と、非常に難易度が高い資格です。
しかし、計画的に学習を進めれば合格も目指せるため、まずは試験内容から確認してみましょう。
資格取得の勉強方法
いざ学習を始めようと思っても、勉強方法に迷うかもしれません。効率よく取得できるおすすめ方法を3点紹介します。
- 参考書や対策問題集を解く
- Webの学習媒体を利用する
- 通信講座に通う
自分に合った勉強法を見つけるために、ぜひ参考にしてみてください。
参考書や対策問題集を解く
まずは参考書を読んでベースとなる知識を理解するのがおすすめです。参考書をインプットしてから問題集を解くことで、その知識のアウトプットにつながりさらに理解が深まります。
参考書の中には文章が少なくイラストや図式が多いものや、詳しく解説が載っているものまで様々です。
書店には多くの資格本があるため、自分に合ったものを探してみてください。
Webの学習媒体を利用する
UdemyやProgateなどのWeb媒体の学習コンテンツを使うのもおすすめです。時間や場所の制約なく利用できるため、通勤電車の隙間時間でも効率よく学習できます。
なお、UdemyにはAWS Certified Cloud Practitionerなどの解説の充実した問題集が数多くあります。
紙媒体とWeb問題集のどちらが適しているかは資格によって異なるため、勉強を始める前に調べておきましょう。
通信講座に通う
通信講座で勉強するのも良いでしょう。充実した学習コンテンツがそろっているため、他の参考書や問題集を購入しなくても、講座だけで完結できます。
内容は様々ですが、動画教材や紙の参考書、問題集、学習計画を立てるスケジュール帳まで含まれていることもあります。
値段は高いですが、合格までのサポート体制を重視する方も検討してみましょう。
資格を取得する前に注意すること
取得前に検討すべきことは以下の2点です。
- 自分のキャリアに合わせて資格を選ぶ
- マイナーな資格は役に立たない可能性がある
- 面接では取得した資格だけでなく理由も伝える
以下で詳しく解説します。
自分のキャリアに合わせて資格を選ぶ
自分のやりたい/やる業務とは関係ない資格を取るのは効率が悪いでしょう。市場には数多くのIT資格があるため、すべてを総合的に取得するのは難しいからです。
インフラエンジニアの中でもサーバーエンジニア、クラウドエンジニアやその他複数のエンジニアに大別されており、それぞれで必要な資格が異なります。
自分がなりたいエンジニア像に合わせて取得する資格を検討してみてください。
マイナーな資格は役に立たない可能性がある
簡単に取れるという理由でマイナーな資格を選ぶのは避けましょう。面接官が知らない資格をアピールしても意味はなく、むしろなぜ取得したのかと疑問を持たれてしまうからです。
まずは、前項で紹介した比較的メジャーな資格から挑戦してみてください。
面接では取得した資格だけでなく理由も伝える
面接では取得した資格をアピールするだけでなく、それを選んだ理由までも話すようにしてください。面接官は、資格を取った事実よりもどのような背景で取ったかを重要視するからです。
目的のない資格取得は面接官の違和感にもつながる可能性があるため、しっかりと伝えられるようにしましょう。
資格取得のメリット3点
ITの資格を取得するメリットは以下の3点です。
- 技術知識の学習と理解が深まる
- 高度スキルをアピールできる
- キャリアアップにつながる
以下で詳しく解説しています。
技術知識の学習と理解が深まる
IT技術は変化が著しく、常に新しい知識を吸収し続ける必要があります。資格に関してもシラバスが定期的に変更されていて、AWS認定資格といったベンダー資格も新機能が追加されると試験範囲も増えます。
しかし、資格勉強をすることで技術の理解が深まるため、自身の業務内容に直結する場合はステップアップだけでなく、キャリア形成するうえでも活かせるでしょう。
高度スキルをアピールできる
難しい資格を取れば周りからの評価が変わり、業務内でも任されるタスクが増えたり、知識に関して聞かれたりもします。専門スキルを持っている証明になるため、社内でキャリアアップしたいのであれば、持っておいて損はないでしょう。
自身が勉強すればするほど評価や信頼につながるため、ぜひ検討してください。
キャリアアップにつながる
企業によっては、職位を上げるのに特定の資格の取得が求められたり、資格手当がついて年収が大幅に上がったりする可能性もあります。また、転職に有利になる資格も少なくありません。
自身の武器を増やしていくためにも、多くの資格を取得しましょう。ただ、業務にかかわりのない資格から取得するとかえって効率が下がるリスクがあるため、まずは必要性の高いものから検討してみてください。
転職にも有利になるIT資格でスキルを磨こう
未経験でも取りやすい資格は数多くあり、なかには難易度の高いものもあります。しかし、勉強方法や対策を練ったり、隙間時間を活用して学習したりすれば、十分合格を目指せるでしょう。まずは以下の資格の上から調べてみて、自分の取れそうなものや業務で活かせそうなものを探してみてください。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- 情報セキュリティマネジメント
- 応用情報技術者試験
- 情報処理安全支援士
- AWS認定資格
- システムアーキテクト
また、資格取得には以下のようなメリットがあります。
- 技術知識の学習と理解が深まる
- 高度スキルをアピールできる
- キャリアアップにつながる
資格取得のおすすめ勉強法は以下です。
- 参考書や対策問題集を解く
- Webの学習媒体を利用する
- 通信講座に通う
さらに、資格を取得する前には以下のことに注意してみましょう。
- 自分のキャリアに合わせて資格を選ぶ
- マイナーな資格は役に立たない可能性がある
- 面接では取得した資格だけでなく理由も伝える
資格勉強は際限がなく、どれだけ勉強しても合格できるか不安を抱える方も少なくありません。しかし、資格取得は成功体験につながり、業務における自信も身につくため、メリットは大きいはずです。
ただ勉強するだけでも知識習得に役立つため、IT未経験で取得するべき資格に迷っている方は、ぜひ本記事を参考にIT資格について調べてみてください。
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